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抽象水彩
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直木賞受賞予測

こんにちは。村田です。

川端よりブログのネタが持たないといわれたので、

今回は私が担当です。

さて、今週木曜は芥川賞・直木賞の発表日です。

せっかくですので、直木賞の個人的な受賞予想をしたいと思います。

本命:恩田 陸著『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)

対抗:須賀しのぶ著『また、桜の国で』(祥伝社)

大穴:垣根涼介著『室町無頼』(新潮社)

まず、『蜜蜂と遠雷』です。

期待を良い方向に大きく外してくれた作品でした。

導入からどっぷりと作品世界に浸れました。

ある地方都市のピアノコンクールを舞台にした作品ですが、

コンクールにかける各演奏者の熱量がすごい。

最後は淡泊な終わり方でしたが、恩田さんらしい終わり方だと納得してしまいました。

ちなみに、装丁が非常に良いです。表紙を外すともうひと仕掛けあるのは素敵ですね。

次に『また、桜の国で』です。

前回の『戦場のコックたち』を思い出しました。

ロシア人と日本人のハーフが第2次大戦前のポーランドに外交官として赴任するところから始まります。

ナチスドイツ占領下のワルシャワで徐々に追い詰められていくポーランドに住む人々が切なく描かれます。

今までは普通に暮らしていた人々が極限状態で余裕をなくしていく様は悲しくなります。

終わり方が非常に良いですね。戦争を舞台にした作品はこうでなくては、と思わされました。

帯にショパンと書いてあったので、もっと音楽メインかと思いましたがそうではなかったのが少し残念。

最後に、『室町無頼』です。

応仁の乱直前を舞台にした武芸物といえばよいのでしょうか。

あくの強い人々が下剋上を体現していく様はすかっとします。

そして、中世を舞台にした作品に漂う無常観。

室町時代?足利尊氏?みたいな方にも楽しんでいただける読みやすさ、わかりやすさのある作品でした。

昔大山崎のあたりをうろついていた時期があったので、懐かしい気持ちで読めました。

他に候補になった『十二人の死にたい子どもたち』『夜行』もよかったです。

作者の冲方丁さん、森見登美彦さんの作品は好きで集めたりしていますが、

個人的には今回の作品でなくてもという気持ちです。

芥川賞・直木賞は年2回あります。

ネット上では多いという方もいらっしゃるようですが、

お祭りみたいなものなので、これくらいあった方がいいなあというのが私の本音です。

また、しっかりと読める本が多く、毎回この機会を心待ちにしています。

もう発表は間近ですが、せっかくなので1冊くらい読んでみてはいかがでしょうか。

PS テレビをつけたら、『破門』で直木賞を受賞された黒川博行さんが出ていました。

  この方の『破門』を含む「疫病神」シリーズは非常に面白いですね。

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